統計数理研究所の一般講座の粒子フィルタとその応用に参加しました。
統計数理研究所(統数研)は統計学に関する国の研究機関ですが、年に10回程度、一般向けの公開講座を行っています。場所が立川市で平日開催で有料と、社会人が参加するには多少の難しさもありますが、費用対効果を考えると、解りやすい講義をこの値段で聴けるというのは非常にお得です。
粒子フィルタは時系列データの解析に使われる技術です。時系列データの解析というと、状態空間モデル(その特殊例としてカルマンフィルタ)などが思い浮かぶ人も多いのではないかと思います。カルマンフィルタは線形モデルかつガウスノイズという場合に解析的に解けるという話で、非線形モデルだったり非ガウスノイズの場合には各ステップをモンテカルロシミュレーションして近似的に解こうというのが粒子フィルタ法です。画像を認識しての物体追跡などに応用されているそうです。
粒子フィルタについて詳しくは、例えば統数研で公開している「逐次モンテカルロ法とパーティクル フィルタ」などを読んでいただくのがよいかと思います。
実際の測定値と近くて尤度が大きな粒子だけが生き残って子供を作る、と考えると遺伝的アルゴリズムと近いのかな、とも思います(そう考えると、私はイメージしやすかったです)。融合粒子フィルタの話も、低確率で交配させて種を増やすみたいな印象を受けました。
粒子フィルタの定番のOSSライブラリについて質問してみたのですが、必要な人が各自実装して使っている、という感じのようです。私も必要になったタイミングで実装してみようと思っています。