勉強会報告:「モントリオール大学 Yoshua Bengio先生による講演会」

投稿者: | 2016年10月14日

「モントリオール大学 Yoshua Bengio先生による講演会」 を聴講しました。

この講演会は、パナソニックのAI開発部門がYoshua Bengio先生を招待しての講演会でした。

今回の講義資料は公開されていない様ですが、Bengio先生のこの辺の資料と似た話がありました。
* Progress and Challenges of Deep Learning towards AI(PDF) 講演はもう少し長かったです
* Deep Learning NIPS’2015 Tutorial 講演はここまで技術的な話では無かったです

この辺の資料に載ってない話というと、講演の最後に話をした、「企業とAI研究」の話でしょうか。

  • 企業が機械学習の研究者を雇うための給与は高額になってるが、それでも研究者は不足してる
  • 長期間、オープンな研究をさせることが、最優秀な研究者を招く方法だ
  • テーマを絞って、5-10年程度の長期の研究をさせることが大切だ。(しかしお金を持ってるのは短期的成果を求める人々だ)
  • open-science (github, arXivなどで公開)であることが、研究者の名声に繋がるし、結果の再現性も保証する
  • 機械学習の研究者は特許を嫌い、OpenAI などに移っていく
  • 特許は、実装をちょっと変えれば簡単に迂回できるか、あるいは濫用されがち(数学やアルゴリズムの特許のように)
  • 特許は他社からの法的な防衛のためにしか役に立たないが、同じことは arXiv に投稿するのでも達成できる

非常に正しい話だと思います。特許の話は、昔勤めてた会社とかだと年間の特許ノルマとかあったりしたなぁ、とか思い出したりもしますが、今の会社のような会社に勤めてると、特許を取らずになんでも arXiv と github で公開してくれると非常に嬉しいですね。